ピッグスキンについて

基礎用語

ぎん面(吟面・銀面)
革の表面となる部分で、独特のシワや凸凹があります。
スエード
革の裏面をサンドペーパーで起毛させたものです。
床(とこ)革
皮を2層に分割したもので、銀面を持たない方を原料にした革です。
鞣し(なめし)
動物の「皮」に化学的な処理を施して、腐敗しにくく、耐久性や強度に優れた「革」を製造することです。
デシ(DS)
革を取引する単位で10㎝×10㎝の大きさ。
欧米ではSQFT(1スクエアフィート=9.29デシ)と表します。
ピッグスキンは平均120デシほどです。
クローム鞣し
広く自然界に存在し安全な三価クロムを用いた鞣し方法。製造期間が短く、コスト面で優れています。
染める前は青みがかっているのが特徴で、柔軟性、弾力性、耐熱性、染色性にも優れています。
タンニン鞣し
植物の樹皮、葉などから抽出したタンニン(渋)で鞣す方法。繊維密度が高くガッチリと絡み合っているため固く、伸びが小さくなるが使い込むうちに繊維がほぐれて馴染んでくるためエイジング(色が濃くなり、光沢に深みがでる)が起こるのが特徴です。

使用上の注意

薄い素材の強度
薄い革を用いると強度が弱くなります。少なくとも0.6〜0.7㎜以上の厚さをおすすめします。
個体差
革はもとの動物の個体差により、大きさや表面が異なります。
また、背中部分とお腹部分でも素材の物性が多少異なりますのでご注意ください。
動物の皮を材料にするため、傷跡などがついている場合があります。
型で抜く場合等には傷を避けるようにご注意ください。
アイロンの使用
アイロンの熱やスチームにより収縮したり(とくにタンニン鞣しは熱に弱い)、加工用フィルムが
剥がれるなどが起こる場合がありますので、十分ご注意ください。
伸び
繊維の流れ方向は引っ張り強く、伸びが小さく、直角方向は引っ張り弱く伸びが大きくなります。

お手入れ方法

ぎん面
雨・コーヒーなどの液体がついた場合はすばやくふき取り、革用のオイルを塗っておきます。
ボールペンなどの汚れも早ければ、保革油を布につけ、軽く拭けば取れます。
スエード
液体がついた場合は表革と同様、内部に染みる前に乾いた布でふき取ってください。
一部汚れが残る場合はブラッシングをするか、革(スエード)専用のスポンジなどで軽くこすって下さい。
アイロン
熱と水分を同時に与えると変質するので、スチームアイロンなどは避けて下さい。
保管
保管は湿気を避け、乾燥剤などを使用するか、時々陰干しをして風にあてて下さい。
ビニールをかぶせての保管は逆効果でカビの発生を招きやすいのでご注意ください。
ひどい汚れは無理をせず専門のクリーニング店と相談して下さい。

スエードのお手入れ

通常のお手入れは時々スエード・ヌバックブラシもしくは馬毛ブラシを使って、ほこりを落として毛並みを整え、時々防水スプレーを かけ直します。